和服文化大好きブログ
「着物を汚しちゃった…!」自宅でやっていいこと・絶対NGなこと
お知らせ 2025.10.08
お気に入りの着物でお出かけ中、あるいはご自宅でうっかり…「あ!着物に汚れがついてしまった!シミになったらどうしよう?!」そんな経験はありませんか? 大切な着物を汚してしまった時のショックは大きいですよね。

焦って自分で何とかしようとして、かえってシミ(汚れ)を広げたり、生地を傷めたりしてしまうケースは少なくありません。
今回は、着物を汚してしまった時に【自宅で「やっていいこと」と「絶対にやってはいけないこと」】をご紹介します。正しい応急処置を知って、大切な着物を守りましょう。
シミ(汚れ)を発見したら、まずは「冷静に」状況確認!
まず大切なのは、慌てないこと。シミ(汚れ)の種類や状態によって、対処法が異なります。
- シミ(汚れ)の種類を確認: 食べこぼし、飲み物(水性・油性)、ファンデーション、泥など、何が原因のシミ(汚れ)かを確認します。
- シミ(汚れ)の範囲: 1か所なのか複数あるのか、把握します。
- 時間が経過しているか: ついさっきついたばかりか、時間が経ってしまっているかを確認します。
【自分でやっていいこと】焦らず、最小限の応急処置を
ごく軽い、ついたばかりのシミ(汚れ)であれば、自分でできる「応急処置」があります。これはあくまで被害を最小限に抑えるための行動であり、完全にシミ(汚れ)を消すためのものではないことを理解しておきましょう。
1. 液体や固形物を「吸い取る・払い落とす」
- 用意するもの: 清潔な布(ハンカチ、キッチンペーパー、ティッシュなど)。
- 液体の場合
こすらずに、そっと吸い取ります。撥水加工が施されている着物の場合は、水滴がはじかれて水玉になり表面を転がるので、こすらず振り落とします。
・固形物(泥、食べ物など)の場合:
乗っているものを簡単に取り除く、振り落とす程度で、あとは触らないようにします。
2. 着物を「陰干し」する
応急処置が終わったら、必ず着物ハンガーにかけて、風通しの良い日陰で十分に陰干しをしてください。湿気はカビやシミを定着させる原因になります。
- 直射日光は色あせや生地の傷みの原因になるため、絶対に避けましょう。
- 半日~一日程度、しっかり風を通すことをお勧めします。
自分でできることはここまでです。この後は必ず専門店に相談しましょう。できるだけ早い方がよいです。シミ(汚れ)は時間が経つと取れにくくなります。
【絶対NGなこと】着物を「台無し」にする危険な行為
「なんとかしたい!」という気持ちから誤った対処をしてしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。以下の行為は絶対に避けてください。

1. こする
シミ(汚れ)をこすると、汚れが繊維の奥に入り込んだり、広範囲に広がったり、毛羽立ちや色落ちの原因になります。着物のデリケートな織りを傷つけることにもなります。
2. 水や濡れたタオルで拭く
水で濡らしたタオルで拭くのは絶対に避けましょう。正絹(シルク)の着物の生地は非常に水に弱く、水に触れることで状況は悪化します。更に縮んだり、色落ちしたりする可能性があります。
3. 市販のシミ抜き剤や洗剤を使う
洋服用のシミ抜き剤や洗剤は、着物の染料や素材には強すぎる場合がほとんどです。これらを使用すると、色落ち、変色、輪ジミ、生地の変質など、取り返しのつかないダメージを与えてしまう可能性が極めて高くなります。プロでも見分けが難しい着物の素材や染料を、素人が判断するのは非常に危険です。
4. ドライヤーやアイロンで乾かす
濡れているからとシミ(汚れ)部分を熱で乾かすと、汚れの成分が生地に熱で焼き付いてしまい、プロでも除去が非常に困難になることがあります。シミを定着させてしまう最悪の行為の一つです。
5.洗濯機や手洗いをする
着物は、洋服とは洗い方が全く異なります。「ウォッシャブル」と表示されていない限り、家庭で洗濯機に入れたり、手洗いしたりすることは絶対に避けてください。大幅な縮み、型崩れ、色落ち、風合いの劣化など、取り返しのつかない状態になります。
まとめ:シミ(汚れ)を見つけたら、できるだけ早くプロに依頼!
ご紹介した「やっていいこと」は、ついたばかりのシミ(汚れ)に対する応急処置です。シミ(汚れ)を完全に除去したり、着物を本来の状態に戻したりするには、専門的な知識と技術が必要です。
どんなシミや汚れでも自己判断せず、【できるだけ早く着物専門のクリーニング店(悉皆屋さん)】へ持ち込むことが、着物をきれいに直すための最善策です。
掛川・菊川・島田・袋井・磐田・森町にお住まいの皆様、きもののメンテナンスのことなら「きもの みどま」にお任せください。
当店では、お客様の大切なお着物を守るため、経験豊富なスタッフが丁寧にお着物の状態を拝見させていただきます。更に、信頼できる悉皆専門店(着物専門のクリーニング屋さん)に依頼し、より専門的な視点からシミ(汚れ)の状態を見極め、最適な方法をご提案致します。お見積りは無料、ご納得いただいてからのメンテナンスとなります。どうぞご安心ください。諦める前に一度ご相談ください。
またみどまでは、お着物を汚れから守る加工をご提案しております。ご希望の方はスタッフまでご相談ください。お着物を美しく保つため、みどまをどうぞご利用くださいませ。
